最新富士山の撮影記録
「長く生きるということは、多く死者をおくることだ」といった方がいましたが、今回も女優樹木希林の75歳という早すぎる訃報を聞きながらの撮影でした。ファンの多い個性的な女優でしたので、さぞかし驚きと落胆された方も多くいたことでしょう。テレビドラマを全く見ないので語る資格はありませんが、私には、演技と生き方が美しいと思える人でした。忘れられないのが、2年前撮影していた深夜に聞いた本木雅弘との共演ラジオドラマです。それは、広島原爆の日ラジオ特集「あの日、母は少女だった」で、被爆した母樹木希林が息子本木雅弘に初めて被爆体験を話すドラマでした。語ることができない出来事を背負ったまま生きた戦後、映像のないドラマであるからこそ深い悲しみや苦しみが伝わってきました。そんな出来事があった16日夜出て、今回も美しい朝のドラマを期待して櫛形山に登りました。すると、月明かりが無い星空と街明かりに染まった雲海の美しい景色が広がっていました。やがて、明るくなるに従い、形の良い雲が流れてきて、「一焼け」が始まり、流れてきた雲がとてもきれいな朱色に染まりました。明るさが増して「二焼け」が始まると、今度はその雲が金色に染まり、真っ赤な太陽が昇り出しました。まるで輝ける人生を送ることができた人のドラマのような朝焼けでもありました。しかし、もしこれが人生ならば、美しくもなんと儚い一生でありましょう。次は自分がおくられる番かもしれない事を覚悟して、一期一会の撮影を大切にしたいと思いました。
9月17日 櫛形山 眼下の雲海と街明かり、煌めく星座、美しすぎるドラマは深夜から始まっていた。PXk1装備アストロトレーサーで30秒間星を追尾。
夜明けを迎える宇宙に、偶然にもISSが富士に向かって流れて行く。
流れてきた雲が赤く染まり「一焼け」のドラマが始まる。
美しすぎるヒロインの様に雲は輝き。朝焼けのドラマはクライマックスに達した。
「二焼け」が始まると、雲が金色に染まりだす。
日の出、それは始まりでもあるが朝焼けの終わりでもある。
あまりにも儚く、美しい朝焼けのドラマは終わった。
9月17日 櫛形山 眼下の雲海と街明かり、煌めく星座、美しすぎるドラマは深夜から始まっていた。PXk1装備アストロトレーサーで30秒間星を追尾。
18日 須走五合目
19日 須走草紅葉 湧き上がる雲に終始山頂は隠れていた。
by minorufuji2089
| 2018-09-19 16:28
| 最新富士山撮影
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